本日ご紹介させていただきますのは神奈川県よりお越しのN様
2009年式のCB1300SBです
ABSモデルでしたが過去にウチで全撤去しております
今回のご依頼は当店オリジナルのエンジンマウントセット、ゴールドでございます
更に店内探索が得意なN様、目ざとく中古のインジェクションカバーも見つけ出しご購入頂きました
この度は誠にありがとうございました
さらに、車検のご依頼も頂きました
重ね重ねありがとうございます
第3ライダーのT・スズキがコースイン
あれ、今日はいつもパターン発生しないね?
俺へのネガティブキャンペーン終了でつか?
今回はアニジャくんネタ満載だからね
それならいいけど…
安定したペースで周回を重ねていくT・スズキ
昨年本人のペナルティではなかったにも拘らずピットストップを命じられたT・スズキ
今回第2ライダーのK・オトジャの報告では自らのペナルティーは無い
T・スズキは迷いもなく全力で走行を続ける
走行開始から50分ほど消化したその時
「すみませぇぇん、ゼッケン54番の監督さんいらっしゃいますぅぅ」
ピットロード側から女性オフィシャルが声を掛けてきた
「私が監督のY・テンチョーだが何か用かな?」
「タワーへ呼ばれてますので行ってください」
「た、タワー?何階だ?」
「3階です」
「さ、さ・ん・か・い?ペナルティーか?叱られるのか?」
「金で解決出来れば良いのだが…こうなったら彼の出番だな…」
「副監督のアニジャさぁん、出番ですぞ、呼ばれてますぞタワー3階…」
「呼ばれてんのオマヘだろ、監督だろ、」
「何を言うてますのん、今この場所を離れるわけにはいかんのは見ればわかるであろう」
「シロートじゃあるまいし、オレはこの後の展開も考えないといけないしさぁ、そもそもこんな時のためにチミを呼んでいるのだからさ」
「給油スタッフだろ!」
「副監督だろ!」
「なにほ!こんな時だけ役職付けやがって!手当貰ってねぇっつうんだよ!!」
「なんだと!そーかっ!金か、金が欲しいのか!カネカネカネカネってぇ!」
「この貧乏人がぁ!!」
「言ったなぁぁぁ!!いくらテンチョーでもその言葉は許せん!!」
「やるのか?」
「やってやろうじゃないか!」
「いよぉぉぉし、表に出ろい!!ここじゃ他のお客さんに迷惑がかかる!」
「ピットの外に出ろぉぉい!!」
ポカポカポカポカポカ!
「すみませぇぇん、呼ばれてますから早く行ってくださぁい」
「旅の御方がどうかは存じ上げませんが口を挟まんでください!男と男の決着を付けにゃあいけんのです!」
「旅の途中の通りすがりの者では無くて筑波サーキットのオフィシャルです!」
「上からの指示です!!行ってください!!」
「よし、アニジャくんもうそろそろ芝居は終わりだ渋々ゆっくりと行ってまいれ」
「へい、かんとく!」
小芝居で時間を稼いだY・テンチョーとアニジャ、さすがにいつものお店で繰り広げている調子通りではあったがこの時のために更に台本の読み合わせにも時間をかけ完ぺきな演技を演じきったのである
タワー3階でキッチリ腰90度で頭を下げるアニジャのシルエットがピットからも確認できた
その哀愁漂う、そして昨年も見た光景、タワー3階で頭を下げ続ける副監督のシルエットにスタッフ、ライダーの頬を涙がつたうのであった
アンタ…サイコーに素敵だ…
こうしてアホヤマ劇場でT・スズキの走行時間を稼いだチームHKS
Y・テンチョーの元へタワー3階のアニジャから入電
「T・スズキのイエロー無視で~す、写真確認しましたぁ」
「間違いなくやっちゃってまぁぁす!証拠、動かないでぇぇぇす!」
今回は自らのペナルティーで2年連続のブラックフラッグを振られることとなったT・スズキ
この時T・スズキはすでに60分の走行を終えていた
タワー3階から戻ったアニジャが監督から指示を受け、H・シモジに伝達
「HKSとして最後のライダーそしてチェッカーを受けるH・シモジにこう伝えてくれ」
「最後はYouにチームの命運を掛ける、そのためにYouの走行時間を増やすことになった、レースが終わったらゆっくり休むといい、バカンスを楽しめ」と…
アニジャがH・シモジがスタンバイする、チームテントへ走る…
「どうだった、H・シモジのスタンバイは整っているか!」
「テントに居ません!トイレでうんこしてます…」
「この切羽詰まった状況でか…」
「予想外の出来事だ、彼のウンコ時間を稼ぐための台本は用意していない…」
時を同じくしてコース上のT・スズキにブラックフラッグが降られる
程なくスムーズにオフィシャルの待機した指定停止位置でピタリとマシンを止め動じることなく冷静なT・スズキ
そりゃそうだろう、ほんの数か月前に同じシチュエーションを経験しているのだから
10秒の停止中に監督からの指示がヘルメット越しのT・スズキに伝えられる
「Mrスズキ!全開で1周回ってピットインだ!ピットロードの速度超過に気を付けて!!」
静かに頷くT・スズキ
「OKだ…」
T・スズキはその僅か100秒後に、ギリっギリで間に合った最終ライダーH・シモジにマシンを委ねた
H・シモジはその300秒前より確実にウエイトが軽くなっていた…
T・スズキは予定の走行時間を短縮されたが、すがすがしく最後のレースを終えた
イエロー無視は重大なルール違反である、肯定の余地は無い
しかし、昨年の愛に満ちた彼からは想像も付かないアクシデントだった
今年の我々は違う…
ライダー・スタッフ全てが同じ目標のために全力を尽くしている…
まだ、残り時間80分もあったこの時
ストップアンドゴーペナルティーの影響で、ポジションを落としたこの時…
監督Y・テンチョーは表彰台を確信していた…
女神は微笑むと…
つづく